過去俺

9/7 記憶が元になって、その時の感情が再生される。はっきりとではなく、途切れ途切れのビデオテープの様に。そしてその残っている記憶は、感情の強弱に左右されて思い出せるかどうか違ってくる。気持ちいいとか、楽しかったとか、辛かったとか。その記憶と感情が合わさる事で、想いという認識になるんじゃないだろうか。

 想いは反応の結果に生まれるもの。記憶だけあっても、大して感情が動いていなければ生まれない。感情を衝動に置き換えてもいい。身震いするような、大声を上げたくなるような、身体が動いてしまうような、言葉ではなく身体が動いてしまう衝動。これも強い想いとなる。そして自分の場合、その記憶はモノに残っている事が多い。

 アルバムを見たり、昔描いたデッサンを見たりすることで、おおまかにその時の感情が再生される。それはその時の想いも再生される事になる。レシートを見るだけでも、その時の様子は興味の向く範囲で再生される。頭は当時の様子と記憶をおぼろげに記憶して、キッカケの部分と感情はモノに依存している。だから必ずしも、全てを背負っているわけではない。

 

 と考えた所までで、脳みそがわけ分からん状況になったのでやめる。ただ、このあとごちゃごちゃしたまま進んでいったら唐突に、感動や動機というものは人間の内から発生するものではなく外から入ってくるものだということになった。そして、それらを形とする行為が出来る「身体」は器のようなものだという、けっこう危ない考えまで行きそうになった。心は外にあるゆえに、身体はひたすら感動を体現するものであるなんて、コレが宗教の始まりか。でも、そういうところまで行けるのも、ありだろう。意識的にせよ無意識にせよ、自分の思い込みで生きる以外に、生活なんか出来ないんじゃないかな。

 なぜ感動するかは、さっぱりわからんちんだけどね。感情の発生とか、生物としての本能とか、色んな原因があるんだろうけど。感動できるなら、目一杯しちゃえばいいじゃんと思った。それがあるから、張りが出てくる。

 

 

9/8 さつま市イメージキャラクターの立体製作中。ギリギリ間に合わせる。どうも時間ギリギリにならないとやらない癖が出る。最後に出すから帳尻は合うのかもしれないけど、まだ見直す余裕を作りたくないみたい。甘いなぁ。まぁ、続けてればそんな甘さも言ってられないだろうな。

 初めてこうやって作ってるわけだけど、なかなか難しい。そうそう都合よく立体になってくれるわけではないね。色んな不都合が出てくる。そこを上手くつなげるのが立体の楽しい所なんだけど、原画の完成度にも大きく左右されるのがよく分かった。ちゃんと作り込まれていないと、立体として立ったときに違和感がある。漠然とした違和感が。やっぱりキャラクターは不要な曖昧なところを残すと、許容できなくなる厳しさがある。基本となる部分はしっかりとそぎ落としていかないと、遊びの部分に目がいく前に崩れていく。今回やってるキャラクターも、提出するけどそんな様に感じる部分がある。今出来る俺のレベルがそこ止まりという話だ。こればかりは今はどうにも出来ない。

 ただ思ったのは、立体にしやすい形、違和感の無い形を目指すというのはなかなか危険であるかもしれない。自分自身の立体造形技術に当てはめて考えているかもしれないからだ。そうなると、例えば絵を描く技術:立体を作る技術が7:3だったとすると、その少ない割合に合わせて下絵を描かないと立体に出来ないという事になる。7のレベルで作られた平面を思った通りに再現するなら、同じく7のレベルで釣り合わないとマズいのではないか。

 専門別にやるなら問題ない。絵は提出して、別の人に立体にしてもらう。現実的で最も効果が高そう。今の自分は、絵と同じく立体も提出しようとしている。その方がイメージが掴んでもらいやすいから、という理由からだ。でもそのために自分の得意分野を潰すような事をするのは、本末転倒。ちゃんとデザインして、それをしっかりと立体にしないとダメだ。

 ただ、得意分野を潰すような余裕があるかと言うと、そんなものは無い。いっぱいいっぱいになりながらやっている。ただ、そういう意識がかかってるかもしれないことを憶えておかないとマズいかも。ガッツリ絵を仕上げて、それに見合うようガッツリ作る事が大事だな。気を張った部分が見られる事は少ないかもしれないけど、気を張ってない分は見えない。何を書いてるか良くわからないけど、こうとしか書けないや。

 

 

9/9 さつま町イメージキャラクター提出。消印有効とのことなので、大丈夫のはず。想像力と気持ちの切り替えの柔軟性が低いのがよく分かった。

 立体にはもちろん彩色をしたんだけど、甘く見ていた。平面の時は描線ですんでいるところを、立体にした時に削ったんだけど、色を縁までのせたらヒドイ有様になった。へこんでいるところがそのまま暗いわけではない様だ。だから平面のイメージに近づけるために、縁とか底面とか関係なく塗った。そうしたらイメージに近づいた。彩色は本当に平面の領域なんだな。立体との相性はどう捉えるかな。

 まず、描線に沿って削るのは感覚としては正しいんだけど、実際に色がのるとおかしくなる。ここをクリアできれば、相当楽になりそう。どういうデコボコがあるかを、その都度イメージしながら形を作れば問題ないのかな。今回あやふやな形は少なくなるようにして、のっぺりとした面が多くなった。その分、線自体には精密さが要求されたと思う。だから、「V」みたいに削ってると底面にのる絵の具の量を安定させられない。理想は「V」の底がちゃんと一定の面積を持てれば、底面、側面、上面の3つの面が出来て、しっかりと区別する事が出来るんじゃないか。と思う。すごく手間がかかるだろうけど。

 まぁとにかく終えた。疲れた。他のは気楽に進めるとしよう。